意外と知らない「たらこ」のお話

辛子明太子
発祥 起源 始まり

日本で初めて辛子明太子を作り出したのは、(株)ふくやの創業者・川原俊夫です。

川原俊夫は昭和23年10月5日に中洲市場で小さな食料品店「ふくや」を開業します。ふくやは当時、食品卸商店でしたが、商品を卸す以外にもオリジナルの目玉商品を開発しようと考え、生み出されたものが辛子明太子です。
昭和24年1月10日に辛子明太子の販売が開始されましたが、最初はなかなか売れませんでした。俊夫は販売開始後も周囲の人たちに試食してもらっては味を批評してもらい、辛子明太子づくりの試行錯誤をつづけ、満足いく味になるまでには10年近くかかったといわれています。

やがて口コミで辛子明太子の評判が広がり、中洲市場に辛子明太子を買いたい人が列をつくるようになると、市場内の店主が俊夫に辛子明太子を卸してくれないかと相談すると、俊夫は「卸はしない、その代わりに作り方を教えるから自分でつくったらどうか」と教えを請うものには誰にでも製法を教えた。俊夫の周囲の人たちは特許を取る事を強く勧めましたが、俊夫は特許を取ることなく、望むものには誰にでも製法を教えました。こうして多くの辛子明太子業者が生まれ、博多で辛子明太子産業が発展する事となります。

辛子明太子の知名度は昭和50年の山陽新幹線九州乗り入れ(岡山―博多間開通)によって一気に全国に広がり、博多を代表する名産品となったのです。
 

2022年06月06日(月)

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